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「え、何コレ……みんな、嘘だよね?」
田中美亜子が震えた声で聞くけど、みんな顔を見合わせて少し困った顔をするだけ。
そして
「嘘って言われても、ねえ?」
「これくらい普通じゃん?」
「おいタクヤ! この前と女の子変わってんじゃん」
「おー前の子彼氏できちゃったんだよ」
「マイ、新しい彼氏?」
「違うよーただのオトモダチ」
「フリーならさ、今度俺のダチ紹介するわ!」
「その代わり女の子紹介しろっつってんでしょ?」
「そーそー! できれば胸でかい子ね」
「このホテル行ったんだ! どーだった?」
「だーめ! 安いだけあるわ」
「玩具とか部屋は?」
「何かねー一応あるけど、かなり微妙だわ」
「オッケ、そこはやめとくわ」
「あーお前は彼女いるんだっけ」
「そー、1年ふつーに可愛いから!」
なんていう、この学校ではいつも通りの会話が始まった。
これくらいの会話は田中美亜子が来る前は当たり前にされていた。
まともに授業も聞かず、するのは大抵異性の話やアッチの話。
本当に先生泣かせ。
でも、過保護に扱われてこんな会話を聞いたこともなかっただろう田中美亜子だけは、顔を真っ赤にさせてうろたえた。
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