世界の違い

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「にしてもエロ系恋愛小説に少女漫画か。 本番どころかキスすらしたことねえお子様は大変だな。 こんなもんで想像するしかないなんてな」 「あ、あなたには関係ないじゃないですか! 何でそんなこと言われなきゃいけないの!」 田中美亜子が真っ赤な顔で怒鳴る。 するとまた、頭上から皮肉に満ちた笑い声が降って来た。 「同情してやってんだよ、こんな風にしか欲を満たせないこと。 佑には俺がいるからな、欲しい時も食いたい時も、もちろんヤリたい時も我慢なんてさせねえ。 俺じゃないと満足できないように仕込んでるしな」 「統也!」 「本当のことだろ。 しかも何だ、このタイトル 『若頭に愛されて』『背徳の恋』『私の彼はヤのつくお仕事』『いけない恋とわかっていても』か」 「酷いっ!!」 読み上げられた小説のタイトルと、真っ赤な頬。そして涙の浮かんだ瞳。 やっぱり、センター街や裏センターでよく見る、統也に恋する女そのもの。 だったらもう、我慢なんてする必要ないか。
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