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「何でそいつを……」
啓吾が恐る恐る聞く。
「あ゛?」
「夜の女王を探してたんじゃないんですか……?」
幼馴染の俺でも聞いたことのないような、緊張した声だ。
その問に統也さんははっきり答える。
「こいつが俺が探してた奴だよ。
お前らはクイーンとか夜の女王とか呼んでるみたいだけどな」
信じられない言葉に耳を疑った。
「え、いや夜の女王と全然別物じゃないっスか。
夜の女王は黒髪で大人で、なんつーかクールビューティーって感じで。
そいつただのギャルっスよ? 外見はまあまあでも、中身はその辺の女と同じで
「うっせえ」
すんません!」
翔の言葉を遮った統也さんはクイーンに「外すぞ」なんて囁くと、金色の髪の根本に手をかけた。
パチン パチン
何かを外すような音がしたかと思うと、金色の髪がスルりと床に落ちる。
「あ……」
現れたのは痛み一つ見られない綺麗な黒髪だった。
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