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姫抱きのまま、校門の前に停まっていた黒塗りの車に乗せられた。
車に詳しくない私でもわかる。
コレ、絶対に高い。
車内は広く座席はふかふか、しかも強面の運転手さんつき。
旧校舎から姫抱きで、しかも黒塗りの高級車に乗せられるなんて、もう何がどうしてこうなったのかわからない。
わけがわからなすぎて、乾いた笑いが漏れそうだ。
それなのに、車は神田統也が私の隣に寄り添うように腰かけたと同時に発車してしまった。
「あの……どこに向かってるんですか?」
「家。学校じゃ話しにくいだろ」
「話って……」
「これからのことに決まってるだろ」
自分の女にするってやっぱり本気だったのか。
『夜の女王』なら少しは利用価値があるかもしれないけど、高校生ならむしろマイナスイメージにしかならないだろうに。
しかもあんなに大々的に高校から連れ出したら……
「利用価値どころかロリコンだと思われますよ」
「あ?」
神田統也は低い声だけど、それほど怖くない。
そのまま続けた。
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