第1章

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敷島『管制塔より、東シナ海に敵機巧を補足の入電。各員所定につけ。操縦士科御堂弓弦二等空尉、SU科佐神楓一等空曹は速やかに紫電に搭乗し、出撃せよ。繰り返す、東シナ海に敵機巧を補足。各員所定につけ。操縦士科御堂弓弦二等空尉、SU科佐神楓一等空曹は速やかに紫電に搭乗し、出撃せよ』 ???サイレンに続き敷島三佐の声で指令。少し間延びした声。 ???放送に被せるように弓弦。後ろで警報が繰り返される。 弓弦「その話、あとで聞かせてもらうわ。さっさと準備して、出るわよ!」 楓「足手まといは、いらないんじゃないの?」 弓弦「搭乗者が一人増えたところで、そんなのハンデにもならないわ。あんたはどうしてもあたしのSUやりたいって言うし、交換条件ってやつよ。好きなだけ乗せてやるから、そのかわり、さっきの話はあとでちゃんと聞かせてもらうからね!」 ???整備士たち、サイレンと同時に作業を終了して撤収を始めている。この時点でほぼ完全に撤収が完了し、最後に数本かけられた足場が外されていく。 ???弓弦、踵を返して走り出す。階段を駆け上り、コックピットに飛び込む。楓もそれに続く。 楓「兵装調整と個体調整と空間転移の調整は僕が全部やるから、君はダイブに集中してくれ。二分後には出られるようにする!」 弓弦「一分半よ。あたしのSUやりたいってんなら、それで終わらせなさい!」 楓「無茶言うよな、ほんとさ……!」 ???USBキーを差し込み捻る。無数の画面が中空に浮かんで消える。手をかざすとタッチパネルが空間に浮かび上がる。 ???跳ね回るような打鍵。無数の画面に順繰りに目線を遣る。速度感のある画面。 弓弦「管制塔! 御堂弓弦、出るわ!!」 楓「ジャストだ! 行ける!!」 管制官『紫電、キャスト。ドックを出て正面のジャンプゲートより跳んでください』 弓弦「ぶっ潰れるんじゃないわよ、カウボーイ! あたしのジャンプは荒いわよ!」 楓「あ、そういや長距離は初めて???!!」 弓弦「RFRフルブースト! 背部、脚部スラスター全開! 行っくわよぉっ!!」 ???一気にペダルを踏み込む弓弦。機体の周囲で高速回転するRFR(反重力輪)、背部スラスターと脚部スラスターより強烈な噴射。 ???あまりの急加速に言葉を発することも出来ずシートに押し付けられる楓。アイシールドで目元を伺うことの出来ない弓弦、愉快そうに歪む口元。
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