17.一輪の花

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「フン、俺はおまけで、会いたいのは唯花だけだろ。 おふくろと同じ便で帰るのか?」 Tシャツを被りながら、悪態を吐く。 「いや、私は明日の夜に」 「そうなんですね、準備でお忙しいのに、わざわざ 来てくださって、ありがとうございます」 レオンさんとキャシーとは、何回か食事したり、 バーで飲んだりした。 親子ほど歳が離れてるけど、友達になれた2人が 帰っちゃうなんて、寂しい。 「ユイカ、君と知り合えて良かった。 君は本当に彼女に似ていて、他人とは思えない。 日本に来た時は、また会ってくれるかい?」 「ええ、もちろんです。2人が帰国したら寂しくなります」 「わたしも寂しいよ。ユイカもぜひ、オーストラリアに 遊びにおいで。歓迎するよ」 レオンさんが、わたしの手を取った。 「おい、レオン。唯花に触んな!」 「尊士はケチだな。ところで、気になったんだが、 表札が『宮藤』になってたけど、字が間違ってないかい?」 尊士に怒られて、しぶしぶ手を放す。
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