17.一輪の花

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「まだ日本にいらしたんですね」 「ええ、彼はほんの僅かでも時間があれば、日本に いるのよ」 「仕事で来てるんじゃ、ないのか?」 尊士が彼の姿を追いながら聞く。 「仕事もあるんだけど、殆どがプライベートよ。 彼は別れた奥さんと、子供を探してるの」 「日本人の方と、結婚してたんですか?」 「そうみたい、詳しくは知らないけど」 お義母さんが、首を振る。 レオンさんが言っていた、捜し人って、その事だったんだ。 「バツイチか、きっと嫁さんに、逃げられたんだぜ」 「それはあんたの偏見でしょう?」 尊士はなぜか、レオンさんに、敵意を持ってるんだよね。 「それじゃ、ここで別れましょう。 見送りはいらないわ、あちらが片付いたら連絡するわね」 「ああ、わかった」 「気を付けて行ってくださいね、帰国を楽しみにしてます」 「ありがとう、唯花ちゃんも、次に会う時まで元気でね」 お義母さんとハグを交わし、手を振ってお別れした。
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