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「まだ日本にいらしたんですね」
「ええ、彼はほんの僅かでも時間があれば、日本に
いるのよ」
「仕事で来てるんじゃ、ないのか?」
尊士が彼の姿を追いながら聞く。
「仕事もあるんだけど、殆どがプライベートよ。
彼は別れた奥さんと、子供を探してるの」
「日本人の方と、結婚してたんですか?」
「そうみたい、詳しくは知らないけど」
お義母さんが、首を振る。
レオンさんが言っていた、捜し人って、その事だったんだ。
「バツイチか、きっと嫁さんに、逃げられたんだぜ」
「それはあんたの偏見でしょう?」
尊士はなぜか、レオンさんに、敵意を持ってるんだよね。
「それじゃ、ここで別れましょう。
見送りはいらないわ、あちらが片付いたら連絡するわね」
「ああ、わかった」
「気を付けて行ってくださいね、帰国を楽しみにしてます」
「ありがとう、唯花ちゃんも、次に会う時まで元気でね」
お義母さんとハグを交わし、手を振ってお別れした。
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