17.一輪の花

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外国の方なのに、緑茶を所望とは。 学生時代、日本に留学してただけあるな。 さっき、お義母さんが、奥さんも日本人だったと 言ってたっけ。 ソファは狭いので、テーブル席に座ってもらい、 お茶を出した。 「今夜は尊士は居ないのかい?」 「いえ、今お風呂に、あ、上がったみたい」 ドアが開いて、尊士が姿を見せる。 「こんばんは、夜分すまないね。お邪魔してるよ」 「なんで?」 肩にタオルをかけ、上半身裸のまま、わたしとレオンさんを 交互に見る。 さあ?と、首を傾げてゼスチャーで答えると、レオンさんが 自ら尊士に説明した。 「美千代に住所を聞いたんだ。 わたしも帰国する事になってね。 最後にどうしても、君達にお別れを言いたくて」 レオンさん、帰国しちゃうんだ。
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