0人が本棚に入れています
本棚に追加
モスコミュール『そうでなければ、この子は今すぐ殺すべきだ。一人で生きるにはこの場所は、残酷すぎる』
AI『人間が生存している可能性は非常に低い。それでも、行くべきだと言うんですね?』
議会の中央にいた赤子が泣き出す。ロボットアームが横から伸び、赤子をあやすと、笑顔に変わる。
ぽつり、と赤いディスプレイが青く変わり、『agree!(賛成)』の文字が表示される。そこから一気に賛成のディスプレイが議会を覆う。それを見て、手を伸ばし、笑う赤子。
AI『いいでしょう。我々はこの子を人間のもとへ連れて行く。しかし、私にはこの地球を守る義務があります。それは他のロボットも同じこと。ダイキュリー、ギムレット、そしてモスコミュール。この子をお願いできますか』
ダイキュリー『気は乗らないけど、あなたの言葉は人間の言葉だ。素直に従うよ。ママ』
ギムレット『了解した。必ずこの子を人間に会わせてみせる』
モスコミュール『AI、俺たちは、もうここに戻らないものと考えてくれ』
AI『……分かりました。では、敵包囲突破作戦を開始します。詳細データのアップロード完了。十分後に作戦開始とします』
○宇宙空間。
空間に漂い、地球を監視する蜘蛛型エイリアン。エイリアンの包囲網を、青い光が一閃する。
青い光がとおった場所から、衝撃波が発生する。一時的に包囲網が緩まる。
青いビームの道筋をたどるように、ダイキュリー、モスコミュールが通過する。
エイリアン、それを捕えようと襲い掛かる。
そこで、モスコミュールの後部に取り付けられたカプセルがパージされ、中からギムレットがあらわれ、重力子太鼓で敵を牽制する。
モスコミュール、ギムレットを電磁鎖でつなぎ、そのまま進む。
そのとき、三機の前方にエイリアンが展開する。壁のように連なる敵勢力。
すべてのマーカーが、完全に三機を捕捉する。
しかし、エイリアンの軍勢を、地球側の飽和攻撃が壊滅させる。
爆炎の中を抜ける三機。
敵ミサイルが三機を襲う。
モスコミュールを守るようにして、ダイキュリーがミサイル群を貫いて回る。
最後にエイリアン単機がモスコミュールの前に現れる。
モスコミュール、エイリアンと一騎打ち。
エイリアンの放ったミサイルを、モスコミュールは華麗に躱し、切り込むような形で相手を仕留める。
ようやく完全に敵包囲網を抜ける三機。
最初のコメントを投稿しよう!