第1章

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モスコミュール『そうでなければ、この子は今すぐ殺すべきだ。一人で生きるにはこの場所は、残酷すぎる』 AI『人間が生存している可能性は非常に低い。それでも、行くべきだと言うんですね?』  議会の中央にいた赤子が泣き出す。ロボットアームが横から伸び、赤子をあやすと、笑顔に変わる。  ぽつり、と赤いディスプレイが青く変わり、『agree!(賛成)』の文字が表示される。そこから一気に賛成のディスプレイが議会を覆う。それを見て、手を伸ばし、笑う赤子。 AI『いいでしょう。我々はこの子を人間のもとへ連れて行く。しかし、私にはこの地球を守る義務があります。それは他のロボットも同じこと。ダイキュリー、ギムレット、そしてモスコミュール。この子をお願いできますか』 ダイキュリー『気は乗らないけど、あなたの言葉は人間の言葉だ。素直に従うよ。ママ』 ギムレット『了解した。必ずこの子を人間に会わせてみせる』 モスコミュール『AI、俺たちは、もうここに戻らないものと考えてくれ』 AI『……分かりました。では、敵包囲突破作戦を開始します。詳細データのアップロード完了。十分後に作戦開始とします』 ○宇宙空間。  空間に漂い、地球を監視する蜘蛛型エイリアン。エイリアンの包囲網を、青い光が一閃する。  青い光がとおった場所から、衝撃波が発生する。一時的に包囲網が緩まる。  青いビームの道筋をたどるように、ダイキュリー、モスコミュールが通過する。  エイリアン、それを捕えようと襲い掛かる。  そこで、モスコミュールの後部に取り付けられたカプセルがパージされ、中からギムレットがあらわれ、重力子太鼓で敵を牽制する。  モスコミュール、ギムレットを電磁鎖でつなぎ、そのまま進む。  そのとき、三機の前方にエイリアンが展開する。壁のように連なる敵勢力。  すべてのマーカーが、完全に三機を捕捉する。  しかし、エイリアンの軍勢を、地球側の飽和攻撃が壊滅させる。  爆炎の中を抜ける三機。  敵ミサイルが三機を襲う。  モスコミュールを守るようにして、ダイキュリーがミサイル群を貫いて回る。  最後にエイリアン単機がモスコミュールの前に現れる。  モスコミュール、エイリアンと一騎打ち。  エイリアンの放ったミサイルを、モスコミュールは華麗に躱し、切り込むような形で相手を仕留める。  ようやく完全に敵包囲網を抜ける三機。
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