第1章

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男  「お、俺?」 女  「お前の為に、俺がどれだけ努力したと思ってる!三桁だった体重を干からびる思いで今の体重まで減らして」 男  「さ、三桁……」 女  「骨がえぐれるほど整形して」 男  「ほ、骨まで……」 女  「性別まで変えて」 男  「は?え、性別?」 見つめ合い、一瞬の沈黙。 女  「……俺はなあ、お前の幼馴染の孝志だよ」 男  「孝志(思考停止)……って、あの、成長期と共に脂肪を蓄えるだけ蓄えて、見てくれだけなら幕内力士顔負けの、あの孝志!?」 オカマ「ふ……そんなふうにしか覚えてもらっていないのは、悲しいところだけど、そうだよ」 男  「がっ!」 オカマ「幼稚園の頃から、俺はずっとお前だけを見てた」 男  「そんな前!?」 オカマ「でもお前はそんなこと気付きもせずに、唯の友人として俺に接してた」 男  「当たり前だろ!」 オカマ「それでもいいと最初は思ったさ。お前が話しかけてくれる。それだけでも、俺は天に昇る程、嬉しかったから。楽しかったなあ。お前のいる学校生活は。体育で見るお前の生足は、最高にまぶしかった。特に水泳の授業で、水に濡れるお前の素肌ときたら……鼻字を抑えるのに苦労したもんさ。ふふ、今思い出しても、どんぶり10杯はいける」 男  「(聞いている間、のたうちまわって)やめて!楽しかった10代の記憶が、一瞬で恥辱にまみれるから!」 オカマ「……でも、高校にはいって、お前に彼女が出来て、俺は始めての絶望を知った。悲しくて、辛くて、いっそ死んじまおうかと……。 男  「そうしてくれてたら……」
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