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ルクフェル極めて神経質な顔を歪め、喉の奥で罵詈雑言を並べ立てた。
しばらく静かだったが、また面倒な状態になってしまった。
ソルドは無視することにした。
「あぁ、まあ俺のことはどうでもいい。
要するに、もう一度その門が開くのを、阻止すればいいんだな」
ソルドは念を押すように尋ねた。
するとまたリーファは首を横に振る。
「ブサナベンは、天界門については、知らなかった。
ただ、たまたま魔界と接触し、たまたまホロラドというエルキスタの側近の一人と接触し、更なる魔力を得るため、門の解放を目指すようになったの。
あなたとドルアーノのお陰で、門の解放は免れた。
でも、この先はどうかわからない」
ソルドは、およそのことが理解できてきた。
結局、神や魔王の狙いは、光や闇の世界の門を開き、互いに相手を滅ぼそうということだ。
ブサナベンは魔界門を開く力を持つであろう魔導師で、魔王にとって好都合なのは勿論、神にとってもあの魔導師は、必要な存在だった。
ドルアーノは魔封じの力を持つ戦士であり、おそらくは神が闇の世界へ攻め込むとき、その力を何らかの形で利用するつもりだった。
だがそれは、相討ちという、神にとって不都合な形で、目的が全く果たせぬまま決着した。
そして神のリーファに対する微妙な態度。
結局、リーファは神の敵だったのだ。
そして、リーファの全てを知る力、全ての経緯を知るその存在が、神の絶対善を否定する、実に都合の悪いものだった。
「そうするとだ、リーファ。
今までの話からすると、結局その二つの門。
これが二度と開かなければ、とりあえずは治まるってことか?」
ソルドの問いに、ようやくリーファは首を縦に振った。
だが、ソルドは途方にくれる。
存在するかどうかもわからず、その規模もわからず、相手は神や魔王といった、もし存在するのならばあまりに桁違いすぎる相手だ。
「そもそも、俺にそんなのが封印できるのか?
俺は人間だぜ」
そう言うと、リーファは首をまた横に振る。
「あなたには無理。
ルクフェルでも、二つの門を封印はできないわ」
それを聞くと、横にいた魔導師は憤怒の形相で震え始める。
手に持つ杖を握り潰しそうだ。
「じゃぁどうする?
そもそもその門は、どこにあるんだ?」
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