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「何処まで着いてくる気ですか?」
「帰り道わからないんだもん…。」
道を抜けた私達は、町の中へと入った。
古風な瓦屋根の家が並び、町を歩く人々は皆、着物や振袖を着ている。
「ねぇ…、ひょっとしてホントに江戸時代なの…?」
「変な人ですね。
江戸時代ですよ、さっきもそう言ったじゃないですか。」
沖田の口振りや周りの景色を見る限り、もしかして本当に江戸時代なんじゃないかと思えてくる。
だとしたら帰り道がわからないとかそうゆうレベルの話じゃない…。
「あ、あのさー、沖田…。」
「なんです?」
「私もしかしてタイムスリップしたかもしれないんだけど…、どうしよう。」
「たいむすりっぷ?
なんですかそれ?」
タイムスリップが通じない……!
「まぁ、要は未来から来たかもって事。」
「え?またまた冗談を。
何処かで頭打ちました?」
「なんで信じてくれないのよ!
どうしたらいいのかわかんないのよ!」
つい、声を荒らげてしまったけど何気に私は今パニック状態である。
「ちょ、落ち着いてください!
分かりました…とりあえず、屯所に着いてきて下さい。」
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