剣才

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「メェェェェン!!!」 バチィン! 「次っ!」 ここはとある高校の体育館。 そこで凛々しく竹刀を振るう女子高生。 名は『神崎時雨(かんざきしぐれ)』。 剣道部の女主将。 「誰も掛かって来ないの?だらしない。」 少し、静かになった部室。 「敵うわけがない」「化け物め」 そんなヒソヒソとした声が少し聞こえてくる。 (化け物…か……。) そう呼ばれるのも仕方ないのかもしれない。 私は試合で一度も負けた事がない。 それどころか大抵の試合で相手の太刀を浴びせられずに勝つからだ。 初めの頃は剣の才能があると言われ、もてはやされていたが時が経つにつれて周りの目は、化け物を見るかのような目に変わっていった。 私は…、何のために竹刀を振るっているのだろうか…。
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