新撰組

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「では、失礼します。」 部屋を出た私は、夕食の支度をするため台所へと足を進めた。 食材あるのかな? ガサガサッ! 「……?」 ガサガサッ…! 台所に誰かいる…? ポリポリ…。 「コラ!!歳ぃ!!」 「うぉっ! んだテメェ!驚かすんじゃねぇ!」 台所に向かった私が見たのは、1人で沢庵をポリポリと食べている土方歳三だった。 「なにつまみ食いしてんのよ。」 「ちぃと小腹が空いただけだ。」 「副長ともあろう人がつまみ食いなんてしないで下さい。 私が此処にいる間は勝手なつまみ食いを禁止します!」 「チッ…!」 歳はふてくされたように台所から渋々と退いた。 「待ちなさい。」 「あぁ?」 「その手に持ってる沢庵を置いていきなさい。」 「チッ…!」 こいつどんだけ沢庵好きなのよ! 渋々沢庵を置いた歳は、そのまま台所を後にした。 「ぷはははは! 自分めっちゃオモロイやっちゃなぁ!」 「誰!?」 歳が台所を出てすぐ、誰かの笑い声が聞こえてくる。 が、姿が見えない。 「此処や、此処。」 トンっ。 私が声の主を探してキョロキョロしていると、私の予想を大きく裏切った声の主は、まさかの天井から降りてきた。 「忍者ぁぁぁ!!?」 「忍者ちゃうわ。密偵や。」 スラッとした体格に整った顔。 いわゆる美男子とゆうやつである。 「密偵……、て事は山崎烝? ススムくんって呼んでいい?」 「……? ……お前、なんでワイの名前知っとんねん。」 ふふっ、私の歴史の成績は優秀なのよ。
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