第3章

2/8
前へ
/17ページ
次へ
「んーっ、はぁ…」 背伸びをしたあとにひとつ息を吐くと空を見上げて。立ち止まり僅かに赤みがかって来た空を見つめると少し笑みを浮かべ。再び歩き出すと今度は携帯を取り出しいじり始めて。 「げっ、明日雨かよ…」 天気予報を見ると嫌な顔をしてほかの画面にすぐに切り替え。そして携帯をしまうと少し足を早めて早く帰ろうとしていて。 「ん?あれは…?」 ふと路地を覗くと何か空間自体が渦を巻いているように見えて。どうやら「それ」はそこに存在しているようで鏡のように自分の姿は映さず。「それ」に近寄り手を伸ばして。 「触れるのかな……、うわっ!」 「それ」に触れた途端何かに引っ張られその空間に消えていき。そしてその後には何事もなかったかのように路地のみが存在していた――
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加