第2章

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「俺の事好きって本当かよ」 「好きで悪いかよ。昔からすきだったんだよ。優しいし気配りもできる…」 恥ずかしそうにしながら叶成は言っていて。だが当の本人は自覚がないようであり。その様子を見て叶成は「自信もてよ!」と明るくいいながら頬をつまんで。 「いでで!引っ張るなよ!」 頬を引っ張られれば抵抗しながらも笑っていて。本当は心のどこかでこういうことを望んでいたのかも、と思いつつ家を後にして。 「雪流ってさ、学校だと結構人気あるの知ってる?」 登校しながら他愛のない会話をしていると突然そんなことを言い出して。その言葉に雪流は「いや、知らないな」と素っ気なく返して。その様子を見た叶成は「見てよ、これ。雪流ファンクラブの会員証!」と自慢げに出して。 それをマジマジと見つめると「没収な」と言いながら相手の手から奪って自身の鞄にしまって。 「あ!返してよ!」 「やーだよ」 くすりと笑えば追いかけてくる叶成と常に同じ距離があくように走って学校に向かっていて。そんなことをしながら毎日こんな風になるのかなーと思いながら学校に着いて。
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