しあわせの家

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真鍋家の家。 喪中の張り紙。 家の中から読経が流れてくる。 嫁が泣きながら弔問に訪れる人に挨拶を交わす。 「施設に入って、こんなに早くお別れが来るなんてね…。 でも奥さん、良く見てあげましたよ。 気を落とさないでね…。」 20XX年 日本政府は、人の細胞分裂を最高に早める薬「死神赤ずきんの微笑み」の大量生産に踏み切る。 その薬で細胞を活性化させ、若返りを果たした老人は個人差はあれ、約3ヶ月で寿命が尽きることが判明する。 しかし、三ヶ月の労働生産力と、高齢者の死亡率の上昇により、高齢化進行の歯止めと日本経済の救済に大いに役に立つことになる。 全国にしあわせの家が国の補助を得て、建設が進む。 そして、新たな法律により70歳以上の国民は自分で決める選択権を与えられた。 しあわせの家への入所 俗にいう、ウバステヤマに入所するかどうかを… 皆さんも短くても充実した3ヶ月で人生を終わらせませんか? 完
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