プロローグ

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「柏崎透だ。当時は柏崎のクラスの担任だったんだがな……。色々あって、もう三ヶ月以上は学校に来ていないんだ」 「不登校……ですか」 彼女はそう言うと、俯いて考え込む。 そして、そのまま口を開いた。 「先生、その……柏崎、という人の住所を教えてくれませんか?」 「は……?」 担任は暫く唖然としていたが、彼女の言葉を理解すると真剣な顔をして言った。 「あのな、水野。俺は何度も柏崎を説得したんだ。だが頑として柏崎は……」 「柏崎という人の住所を教えてくれませんか?」 担任はさっきよりも語尾を強めて問いかけられ、説得を諦める。 「はぁ……。言っとくが、いくら水野でも無理だと思うぞ」 「大丈夫です。私ですから」 「あのな……」 担任は二回目のため息をつくと、言った。 「柏崎の住所は――」
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