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暗い部屋の中、冷たい床に背中をつける。
回りは静粛に包まれ、時計のカチコチという音だけが空間を支配していた。
腕の傷が床に擦れ、微かな痛みを感じる。
(失敗したな……)
昨日は"いつもの事"を、間抜けにも忘れてしまった。
自嘲にも似た笑みが出る。
時計を見ると、針は丁度6時を指していた。
カーテンの隙間からオレンジ色の光が漏れているので、おそらく午後だろう。
そのまま眠ってしまおうと目を閉じる……
ピンポーン
チャイムの音が部屋中に響き渡った。
軽くパニックに陥り、反射的に飛び起きる。
宅配を頼んだ覚えはないが……。
怪しみながらも、ドアの前に立つ。
「だ、誰ですか?」
返事はない。
軽くどもったことに若干気まづさを覚え、此方も無言でいる。
すると、女性の綺麗な声が聞こえた。
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