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ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
寝室の扉を開けると同時に聞こえたチャイムの音に眉を潜める。
何故顔も知らない委員長とやらがここまでするのかが解らない。
憤りに似たものを感じ、掻き消す様に目を閉じる……
ドンッ、ドンドンッ
僕の睡眠は、またも雑音によって阻まれた。
というか、
「これは、まずいんじゃないか……」
焦る僕とは対照的に、雑音は騒音へとヒートアップしていく、その時だった。
「おい、うるせぇんだよ!折角人が気持ちよく寝てるっつぅのによぉ!」
やはりと言うかなんと言うか、隣の山口さんが怒鳴っているのが聞こえた。
もしかしなくとも乗り込んできたらしい。
すぐ謝ればいい話なのだが、そう上手くはいかなかった。
ドンッ、ドンドンッ
騒音は途絶えない。
つまり、ガン無視だ。
これじゃあ火に油じゃないか……!
山口さんが怒りに震えているのが容易に想像できる。
「このガキッ……!」
ああ、くそっ……
「すいません……その人僕の知り合いでして」
すっ……と、委員長(らしい人)の手を引き、僕の後ろに移動させる。
前を見据えると、腕を振り上げた山口さんが固まっていた。
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