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コイツの名前は、深田那月(ふかだなつき)。
なんで俺にこれほど懐いているのかは謎だが、しつこいことはわかっている。
「奏太~♪奏太~♪」
「…」
ク、クソ…
男だからと言って、適当にあしらえるわけでもない。
那月は、ポニーテールが出来るほど髪を長く伸ばしている。
肌も白くきめ細やか。
スリムな体型に、低身長。
声も声変わりをしたのかどうか疑えるほど透き通った高い声をしている。
どこからどうみても、女の子。
つまり、身の危険をかんじるというのは、俺が那月の誘いに乗ってしまいそう…ということだ。
那月が俺に寄せる好意は、どうやら友達としてではなく恋愛の方らしい。
新学期からずっと付きまとわれてそれが発覚した。
でも…俺は女の子が好きなんだ…
それを那月に伝えたことがある。
何も言わずにズルズルこのままでいるのは酷いからな。
その時に言われたことが忘れられない。
『え~?知ってるよ!だからこうして好きになってもらえるように努力してんじゃん』
そんなこと言われちゃうとね。
俺はどうしたらいいかわかりませんよ。
こうして俺は、女装男子からの異常なまでの愛を毎日叩きつけられられて過ごしている。
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