第1章

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 6月30日の夜、何気にTVをつけたら「深いい話&しゃべくり合体SP」とかの番組で「ともだちなんか多くて本当に幸せか?」というテーマで、ラインでのともだちが5千人というイケメン大学生と、北島三郎の付け人を30年やっていてともだちは一人という男性の人間模様をやっていた。  へえ~とか思いながら見ていたが、これがけっこう面白い。イケメンくんは、人懐こくてよくしゃべるからか、知らない人でもすぐに自分のペースに入れ込んでともだちになってしまう。取材者と歩いていてもすぐ知り合いとバッタリ。夜、突然いまから何人集めることができるかという無茶ブリにも、あせりながら電話をしてすぐ10数人集めることに成功!  一方、50代付け人は酒を飲みに行ってもひとり。買い物もひとりだが、寂しそうな感じはしない。そんな状況をむしろ楽しんでいるようだった。しかもたったひとりのともだちと呼べる人をとても大事にしている。  イケメンくんは「たくさんともだちいても、何だか薄っぺらな間柄ではないの?」と問われ、「いや、ボクが病んだらすぐにみんなとんできてくれる」と自信満々。  うちの大学生の息子もイケメンではないがイケメンくんと同じで、浅く広く、ひとこと話しただけで「ともだち」と呼んでいる。そんな彼を私は「ばか」と冷ややかに見ていた。  ともだちなんてほんの数人いればいいのだ。みんな寂しいから、誰でもに声かけてんだろ。まあ、若いうちはわかんないさ。
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