第2章

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 あるところに、少年と少女がいた。  田舎の山里の村で育った二人は幼いころからの仲良しで、毎日のようにいっしょに遊んでいた。大人になったら夫婦(めおと)になるのだと、なんの疑いもなく互いに無邪気に思っていた。  そんなあるとき、村に突如恐ろしい魔物が現れた。魔物は村を襲い、村の人々は逃げまどった。  運悪く、逃げ遅れた少女が魔物に捕らえられてしまった。  少年は少女を取り返そうと、勇敢にも魔物に立ち向かっていったが、少年はあまりに非力で歯が立たなかった。  少女はさらわれてしまい、少年は悲しんだ。自分にもっと力があればと悔やんだ。  しかし少年は決意した。少女を取り返そうと旅立ったのだ。  だが今のままでは勝てない。剣の腕を上げなければ、魔物にはかなわない。  そう思い、剣の修行をし、実力をつけつつ、魔物を捜した。それは辛く苦しい旅だったが、少年はくじけなかった。  多くの国々を回り、あちこちの道場に通い、商隊の用心棒として働き、ときには傭兵として戦にでた。  愚直に日々鍛練に励み、その甲斐あって、剣の腕に次第に上達していった。
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