第七章 ダイニノヒゲキ

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トランプをする事になり、全員にカードが配られている最中、【佐伯 良弘】が、ある提案をしてきた。 『つかさ、そのままトランプなんかやってもつまんないし、何か罰ゲーム決めない?』 『罰ゲーム?』 『そ、罰ゲーム』 良弘の話を聞くと、今1号館には六人の宿泊者がいるので全員で大富豪を行うと、 一位、大富豪 二位、富豪 三位、平民 四位、平民 五位、貧民 六位、大貧民 となる。 なので、勝敗が決まると上記の富豪貧民間でカードの交換が行われる。 そこまでは同じだが、そこへ更に貧民への罰ゲームを追加するというのだ。   その罰ゲームとは、勝敗の決定後、富豪は貧民に、大富豪は貧民と大貧民の両方に、王様ゲームの様に好きな命令を下す事が出来るという物。 『貧民ビリでもないのに不利過ぎじゃない?』 そんな冷静な突っ込みもあった気がするが、そこはまぁいっかで済ませてしまい、そのままそのルールでゲームを始めてしまった。 「……」 えみりの意識がボ~ッとしてくる。 一人でいる間に興奮していた脳が落ち着いてきて、疲労による眠気がやってきたのだ。 (ヤバい……眠い)   何だかんだで、追加ルールの付いた王様ゲームは盛り上がった。 貧民がビリでも無いのに、大富豪と富豪の両方から命令されるというのが、逆に良かったのだ。 『……ほら、あと一枚でしょ? 早く上がりなよ』 『…………』 『ほら、早く』 『……だ、出せないからパス。次出して良いよ』 『はぁ!? 嘘つき! 貧民になりたくないからって嘘つくのズルいよ!』 そう、皆貧民になるより大貧民になる方が有利と見て、後半になるとわざと負けようとし始めるのだ。 結局、順に抜けていく勝者達が、残ったメンバーの手札を見てズルをしていないか確認する、という形でそれに関しては収まった。 「……」 罰ゲームの内容は、最初こそ腕立てだの好きな人の名前を言えだのとありきたりなものばかりだったのだが、何度もやるうちどんどんエスカレートしていき、後半はもうとんでもない内容の命令が下されていた。 が、 「………………」 それを思い出す前に、えみりは眠りについていた。
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