第七章 ダイニノヒゲキ

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ガサガサ……  ガサガサ…… パキッ! 「…………ん」 何か妙な物音と気配を感じ、えみりが目を覚ます。 ブルブルッと体が震える。 「寒……」 サクッ 「ぇ?」 喉が、急に冷たくなった。 「……はっ」 視界が暗い。 周りが木に囲まれているとはいえ、星や月の光がある。 真っ暗にはならないはずだ。 現に、えみりが眠りに落ちてしまう前までは、ここまで真っ暗では無かったはず。 (誰かが……私の前にいる?) 「……!?」 急に恐怖感がこみ上げてくる。 (誰!?) えみりの意識がスーッと覚醒していく。 瞬間。 ヌルリ 先ほどから感じていた、喉の冷たさが抜けていった。 (熱い!?) すると、今度は喉から下に広がる熱さ。 そして、 (痛い!) ジワジワと広がる熱さと共に、激しい痛みがえみりを襲った。
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