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陽香は何も考えずにピアスを手に取ったが、どうしても確認しておきたいことを思い出す。
「他に三人いるなら、私が候補者にならなくてもいいんじゃないの?何のメリットもないなら、無駄に争う必要ないじゃない」
途端にショウが悲しそうな顔をする。
「それはダメだよ。もし候補者が少ないと、相応しくない人が紲那になっちゃうかもしれない。それにね…」
メリットならある、と言ってショウは空に飛び上がる。
「まず、この世界を全部まとめる、世界一すごい人になれるよ!」
「別になりたい訳じゃない」
陽香にさらりと否定されるが、ショウはめげずに続ける。
「そして、君の探しものをきっと見つけることができる」
「!?」
陽香は言葉を失う。ショウはその様子を見て、クスリと笑った。
「図星だね。君、自分でも分かってるでしょ?自分の中の何かが欠落していること」
陽香はさらに目を見開く。そして全身に鳥肌が立つのを感じた。
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