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陽香は大きく息を吸って、吐く。
こんなに真摯な瞳で見つめられて、断る理由が見当たらない。
ショウをまっすぐに見て、しっかりと頷く。
「やるよ。私が笑顔で紲那になってみせる」
箱からもう一つのピアスを取り出し、耳に付ける。
ショウはニヤリ、と口角を上げた。
その瞬間、ピアスが赤い光を放ち、そして一瞬で消えた。
「なにっ!?」
「登録完了、晴れて君は候補者になった」
ショウは子供のように手を叩いて喜ぶ。
「よーし、これから頑張ろ!陽香!」
サン付けが消えたと思いつつ、陽香はこれから起こるであろう試練を想像する。
陽香は、大きな不安と、ほんの小さな期待を隠すように強く強く手を握り締めた。
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