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陽香は自分の耳を疑う程驚き、瞬きを数回繰り返す。
「え?紲那様って、会えるところにいるの?天とかにいるんじゃないの?」
ショウは陽香の質問を聞くと、微塵も動かなくなった。
「ショウ?」
「ブッ!!あーっはっはっは!もう我慢出来ない!!」
心配した陽香がショウに手を伸ばした瞬間、ショウは腹を抱えて笑い出す。
「ホントッ、君は面白いね!お腹痛い!」
唖然として口を半開きにしたままの陽香を前に、ショウは息が苦しくなっても笑い続ける。
しばらくしてようやく笑いが収まってくると、ショウは陽香に説明する。
「紲那サマは元は人間なんだよ?人間界にいるよ」
「あ、そうなんだ」
陽香は納得しつつも、大笑いされた事に僅かな悲しみを覚える。
ショウは陽香が表情を曇らせたことに気付かず、手を差し出した。
「納得したなら早速行こう。丁度いい事に、仕事の関係でこの近くにいるらしいんだよ。なんと歩いて5分!」
すごいよね、とショウは笑った。
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