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「着いたよ。ここに今の紲那がいるはずだ」
陽香は前を見て絶句する。
陽香は、紲那の拠点なのだからと、オシャレなバーなどを想像していた。
しかし目の前には何もなかった。
「白い壁…しかないじゃない」
するとショウは人差し指を立てて、ニヤリと歯を見せた。
「まあ、見ててよ。ちゃんとここに入口があるんだから」
そう言うとショウは壁に向かって両手をかざし、目を閉じる。
するとその手から淡い緑色の光が放たれ、光が当たったところから徐々にドアノブのようなものが出てきた。
「うん、これでいいかな」
ショウはふう、と一息つくと、はいどうぞ入って?とドアノブを回しながら言って、陽香を招き入れる。
「今、どうやって開けたの?」
陽香は純粋に驚き目を丸くする。
「ここは力に反応してドアが出る仕組みになっているんだよ。限られた者だけが入れるようにね」
「その力は私も持てるの?」
陽香の質問にショウは微笑む。
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