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「なんで私の名前知って…!!ありえない」
「だーかーらー、俺は今は普通の人じゃないんだって」
ショウは腰に手を当てて、頬を膨らませる。
しかし当然ながら陽香には信じることができない。
「その、元人間が私に何の用?」
得体の知れない恐ろしさから、陽香の声は上擦る。手足もわずかに震えてしまう。
「神様より上の存在になってみない?」
「は?」
この瞬間、陽香は自分の前のこの人は頭がおかしい人なんだと確信した。途端に手足の震えも消える。
「君はラッキーだよ!候補者になれたんだから」
「ちょっと待ってて、今すぐ警察呼ぶから。それとも病院?」
陽香は淡々と言葉を並べながら電話をかけようとする。
しかし、コールをかけようとしたその手はショウの手に掴まれ、動きを封じられる。
「待ってよ。君、俺の事頭がおかしい人だとか思ってるんでしょ!?違うから!!」
陽香を掴む手はひんやりとしていて、生気を感じない。
「どうしたら信じてくれるのかな?俺の事」
空まで飛んで見せたのに、とショウはやや大げさに肩を落とす。
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