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「え、うん」
訳がわからないながらも、陽香は取り敢えず頷く。
「正確に言うと、君はとある役につける可能性のある候補者なんだ。その役は『セツナ』って呼ばれるんだけど、簡単に言えばすべての統治者のことなんだよ」
ここまではわかる?とショウは陽香に尋ねる。
「…なんとか。私はセツナって役の候補なのね?」
陽香が戸惑いがちに言うと、ショウは笑顔で頷く。
「うん。セツナってね、『紲那』って書くんだよ。紲は繋ぐ、縛るとか絆って意味があって、那は刹那から取っているんだって。役の意味も入ってるし、上手い名前でしょ?」
宙に文字を書いて見せながら、楽しそうに話すショウを見て、陽香は確かにね、と頷く。
「でも、なんで私が候補なの?どうやって決まったの?」
陽香の剣幕に、ショウはたじろぐ。
「詳しくは分からないけど『力』を持ってる人がなれるんだ。ちなみに今回の候補者は四人。少ないと思う?」
ショウは手で四を作り、陽香を試すように見る。
陽香はその手を見つめ、首を横に振る。
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