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「むしろ驚く。特別な人が今、四人も存在しているのね」
今、ということは昔は他にもいて、これからも『力』を持った者たちが出てくるということだろう。それらを含めると多い、と陽香は感じた。
そしてまた一つ、疑問が浮かぶ。
「私は特別な力なんて、持ってないよ。それにパートナーっていうのが何者なのか、教えてもらってないし」
ショウは小さく微笑んで陽香の手を掴み、何かが入った箱を握らせる。
「君は力を持っているよ。それを引き出す術を知らないだけ。あと、パートナーについては…その箱開けて?」
疑問を抱きつつも、陽香は言われた通りに箱を開ける。
「ピアス…?」
その中には、シンプルなデザインの紅いピアスが2つ入っていた。
ショウは手を伸ばし、そのうちの一つを取る。
「これはペアピアス。君が候補者であり、俺が君のパートナーである証拠だよ。パートナーは、候補者一人一人に付く、サポート兼情報伝達係なんだ」
ショウはピアスを自分の右耳につける。そして陽香にもピアスを付けるよう促す。
「これをつけたら、君は完全な候補者になる。やってくれるよね?」
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