出会い

7/10
前へ
/135ページ
次へ
「むしろ驚く。特別な人が今、四人も存在しているのね」 今、ということは昔は他にもいて、これからも『力』を持った者たちが出てくるということだろう。それらを含めると多い、と陽香は感じた。 そしてまた一つ、疑問が浮かぶ。 「私は特別な力なんて、持ってないよ。それにパートナーっていうのが何者なのか、教えてもらってないし」 ショウは小さく微笑んで陽香の手を掴み、何かが入った箱を握らせる。 「君は力を持っているよ。それを引き出す術を知らないだけ。あと、パートナーについては…その箱開けて?」 疑問を抱きつつも、陽香は言われた通りに箱を開ける。 「ピアス…?」 その中には、シンプルなデザインの紅いピアスが2つ入っていた。 ショウは手を伸ばし、そのうちの一つを取る。 「これはペアピアス。君が候補者であり、俺が君のパートナーである証拠だよ。パートナーは、候補者一人一人に付く、サポート兼情報伝達係なんだ」 ショウはピアスを自分の右耳につける。そして陽香にもピアスを付けるよう促す。 「これをつけたら、君は完全な候補者になる。やってくれるよね?」
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加