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◇
『セラ島は海賊王が支配する』
その報せは周辺国を駆け巡った。
尖島武国を始め各国の軍船はセラ島を大きく迂回するようになった。
◇
空と海の融け合う青色。
緑がかった透明な海水ごしに水底の白砂へ陽光が射す。
『こいつは預ける。ここの海が気に入ったそうだ』
そうして飼い主に置いてかれたアクアドラゴンは、岩礁の合い間をのんきに泳ぐ。
今や島の守り神だ。
彼は言った。
この海の先には星の運びの異なる新世界があると。
世界中の海を巡る彼の姿に思いを馳せながら、私は今日もロティスの実を摘む。
この味が好きだと言った、彼がいつまた訪れてもいいように。
少年は果てなき海で Fin
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