【予選作品・本編】 優しさの意味

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1.課題 -創世界- * かみさま、おねがいします。 だいすきなチョコレートをかみさまにあげるからママのおたんじょうび、ママがおやすみになりますように * ねぇ、神様。 ボクはずっとずっと幸せだったんだ。 捨てられて一人ぼっちだったボクを、大智(だいち)はちゃんと家族にしてくれた。 だから……ボクの命をあげるから、大智を助けてワン * この世界の水面から下界を覗くと、そこには沢山の想いと願いが交錯する。 俺の名は黒兔(こくと)。 この世界の神を主に抱く片翼の天使。 この地で願いを受け止め神の慈悲を差し伸べる。 だけどまだ人を知らぬ俺には、この心は奇怪なものばかりだった。 「黒兔、また此処に居たのか」 虹色の翼に、虹色の長い髪を持つ存在が俺の名を紡ぐ。 彼女が俺の我が君、創造神ティシェル。 主の慈悲が、今は思い出すことも出来ぬ罪を犯し片翼をもがれ腐敗していく運命の俺をこの地に繋ぎとめた。 今の俺に残るのは、罪を犯した者の烙印である漆黒の片翼。
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