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「ねーちゃん、ねえちゃん!」
「うーん、もうちょっと寝る……」
シャッ、とカーテンが勢いよく開く音がした。
瞼を閉じていても目に光が差し込んでくる。そのまぶしさに、思わず目を固く閉じて、薄い毛布で顔をおおった。
「あと10分で8時だよ。遅刻するってば」
弟の呆れたような声に、寝ぼけた頭が一気に覚醒した。
「…………うそっ!?」
「おはよう、茉莉(まり)ちゃん」
転がるように階段を駆けおり、リビングに入ると、ばあちゃんが机に朝ごはんを準備していた。
ご飯にお豆腐のお味噌汁が、うすく湯気を立てている。
おかずは昨日の残りのカボチャの煮物に、ほうれん草のおひたし。
最初は苦手な野菜だらけの献立に戸惑っていたけれど、最近ではすっかり慣れてきた。
「おはよっ!ばあちゃん、ブラウスは!?」
「はいはい、座敷においてあるよ」
慌ててパジャマを脱ぎ、スカートに足を通す。
「こらぁ!外から見えるから、向こうで着替えてこい!」
じいちゃんが畑に水をやりながら、横目で私を見て叫ぶ。
「はーい!」
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