ヴァーミリオン・ゲート

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・ ・ ・ ・ ・ 体に伝わる振動の種類が変わったような気がして目が覚めた。 付けっ放しだったイヤホンを外し、カーテンを細く開けると、窓の外すぐに建物や街路樹が見えた。 高速を、降りたらしい。 ーーーそろそろ着くな… 何年も前の記憶が少しずつ蘇ってくる。 心なしか、気分まであの頃に戻った気がする。 ーーー高速バスで、正解だったかも 多少、首肩腰がトリオで悲鳴を上げていることには目をつぶるとして。 大きく伸びを一つしてから、握っていたハンカチをバッグに入れた。
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