157人が本棚に入れています
本棚に追加
・
・
・
・
・
体に伝わる振動の種類が変わったような気がして目が覚めた。
付けっ放しだったイヤホンを外し、カーテンを細く開けると、窓の外すぐに建物や街路樹が見えた。
高速を、降りたらしい。
ーーーそろそろ着くな…
何年も前の記憶が少しずつ蘇ってくる。
心なしか、気分まであの頃に戻った気がする。
ーーー高速バスで、正解だったかも
多少、首肩腰がトリオで悲鳴を上げていることには目をつぶるとして。
大きく伸びを一つしてから、握っていたハンカチをバッグに入れた。
最初のコメントを投稿しよう!