プロローグ

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-1週間前- 「引退した部活から部室等は開けてもらう。お前らなんて趣味でやってるようなもんだろ?なら夏休み前に開けてもらってもいいな?」 「いや、教頭…せめて!せめて夏休みは…!」 「…じゃあ、夏休み終わったらお前らも引退だぞ」 「ありがとうございます!」 -現在- 桜の宮高校。 公立の男女共学。 来年が100年目を迎えるため、1年かけての大工事をするらしい。 つまり俺ら99期生の3年生しかいない学校。 そんな高校のちんまりした教室に俺達はいた。 「先週、渋い顔で教頭がお許しくださったんだ。俺らはそれを無駄にするのか?」 「それはいけないな」 「ここはクーラー設備もいいし漫画を読むには最適な場所」 「…」 「無駄にしたら駄目だと思うよ…?」 「だろ?思い出せ、俺らがここに集まった理由」 「ぼ、ぼくは強制だったんだけどなぁ…」 「はい口答えなしだ」 「う…」 「あいつしか目標達成しないまま俺らは終わっていいのか?」 「それは許しがたいな」 「それな」 なんだかんだでこいつらもわかってるじゃん。 俺は息を吸い込み、大声を発した。 「この夏にかかってるんだ!」 俺達の夏が今始まる!
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