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トカゲの目の前に突如として現れた水の柱は、雪女の放つ吹雪によって瞬時に凍らされ、その姿を氷の柱へと変える。
そしてその後ろにはトカゲが悠然と立っていた。
「残念だったな雪女!
オレは水の柱を出現させ、それを敢えて凍らせることでお前の吹雪を防いだんだ!!
さあ雪女!お前との戦いもこれで終わりだっ!!」
トカゲは氷の柱を自身の拳で砕き、その破片を雪女へと飛ばした。
雪女は迎え撃とうとはせず、ただ無数に飛来してくる氷を避け続ける。
だがそこで彼女に隙が生まれたということをトカゲは見逃してなどいなかった。
「だから言ったろ?雪女。
戦いってえのは常に周りを見て行動をしなけりゃ生き残れないんだってな!!」
その時彼女は気づいた。
自分が氷を避け続けていた間に横へと移動していたトカゲの存在を…
「チェックメイトだ…雪女!」
トカゲは自身の拳に炎を纏わせると、彼女の顔面めがけて一気に殴った。
「あ…あぁぁぁあああああああ!!!!!」
業火に包まれた雪女が呻き声を上げながらその身を燃やしていく。
白の着物は炎によって灰となり、風に乗って深夜の住宅街へと溶け込んでいく。
やがて彼女自身も燃える着物のように黒く焦げ、一際強く吹いた風に流されその身を灰と化してこの世から消滅させた。
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