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「えっ…?」
大和は炎に包まれる雪女を見て呆然と呟く。
「ったく、おめぇに死なれるとこっちが困るんだよ…」
雪女の背後…燃え盛る炎の向こうに長身の男の影が現れた。
大和はその男の声を頼りに新たに仮説を二つ程思い浮かべる。
一つ目は大和が助けてくれた男が先ほど出会った山椒魚だというもの。
理由は単純、男の声が大和の耳にはあの山椒魚の声とすごく似ていたからである。
二つ目は先の山椒魚と似た声の主が大和を助けに来たというもの。
理由は、まさかあの山椒魚が人間の姿になるとは思っていないから。
「さん…しょう……うお?」
大和は半信半疑で男にそう尋ねた。
「馬鹿野郎!!オレは山椒魚とかいう甘っちょろい奴じゃないぜ?」
その返事を聞いた大和は内心ホッとする。
声の主が山椒魚のものなのだと確信したからだ。
男の姿を隠していた炎が徐々に晴れていく。
そして遂に男の姿の全容が明らかになった。
「オレは四精霊の一つ!
炎を司る精霊“サラマンダー”だ!!」
二カッと微笑むその姿はイケ○ンパラダ○スに出てきそうな爽やか系男子。
服は着ておらず、引き締まった筋肉が露わになっている。
ただ普通の人間と違うところと言えば、日脛骨(びけいこつ)の辺りに尻尾のような物が付いていることぐらいだった。
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