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「…ふざけるなぁあああ!!
これくらいで私を倒せると思ったら大間違いなのよお!! いつまでも炎に負け続ける程雪の力は弱くない!! 雪を操る妖怪として貴様を倒し、そしてそこの人間を喰らう!!
これで私達妖怪がこの世を統べる時代の序章が完成するってわけよお!!」
自身の周りに大量の雪を降らせ、彼女を燃やす炎の温度によってその雪を溶かし、水に変える。 いくら妖怪といえど、知能はそこそこあるようだ。
自身を燃やしていた炎をなんとか先に作った水で消した雪女は、全身を焦がしてもなおゆらゆらと立ち上がり、すっかり黒くなってしまった口をニッと吊り上げながら先となんら変わりない冷酷な笑みを浮かべていた。
その姿に大和は更なる恐怖を覚え、後ろに後退しようとする。
そんな彼を左手で制する者がいた。
先ほど大和を助けた男、サラマンダーだ。
サラマンダーは顔を此方(こちら)に少しも向けないまま、ハッキリとした声で大和に告げた。
「…太常大和、このままじゃあオレはあいつにゃあ勝てねえかもしんねえ。
だからよ、今からおめぇは“インテグレーション”と叫んでほしい」
「インテグ……レーション?」
「そうだ。
いきなりだがオレと声揃えてくれよ?」
大和はインテグレーションという言葉の意味そのものを考えるのを放棄して頷いた。
「じゃあいくぜ!大和!!」
「お、おう!」
数瞬の間を開けて二人は声を完全に揃わせながら叫んだ。
「「インテグレーション!!!」」
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