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じめじめとしたまとわりつくような梅雨が明け、存在を知らしめんとさんさんと輝きを強める太陽。夜も晴れるようになり、澄んだ空にきらきらと瞬く星が降る季節になった。
先月、初めて舞台というものの体験をし、ちるの世界はまた少し広がった。美味しいお菓子をもらったし、舞台の為に舞を教えてもらった。
黒狐のセリアンで美しい女性の神楽に教えてもらった。
「こんにちは。」
「いらっしゃいませー。
あ!神楽さんー!」
たった今思い浮かべていた人が漆黒の髪を揺らしちるの働いている店へやってきた。
嬉しい気持ちが沸き上がってくる。ちるにとって神楽は優しい大人のお姉さんだ。自分にも姉がいたらこんな人がいいなと思う。
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