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「いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁあああ!!!」
突然だが俺こと、神代仁は至って平凡な高校生であった。
好きなことはゲームとアニメ、嫌いなことは勉強、得意なことと言えば部活でバスケをしていたくらいのどこにでもいる奴だった。
しかしだ。
何をどう間違ったらこんなことになるのか、今俺は落ちている。
そう落ちている。
いくら周りを見渡せど、そこには綺麗で澄んだ空しかない。
更に下を見れば、迫り来る地面。
人生オワタ・・・。
18年の人生だったが、思い返せば走馬灯の様に思い出してくる。
クリスマスの日、父さんがこっそり置いたプレゼント。毎年参考書だったけど。
母さんが作ってくれた料理。主に冷凍食品だったけど。
貸したゲームをしっかり返す出来た弟。セーブ上書きされてたけど。
そして、幼いころから憧れてた隣の家のお姉さん。見事に振られたけど。
あれ?
俺の人生良いことなくね?
考えただけで、涙出てきた・・・。
『もっと生きたいですか?』
「そりゃ生きたいよ!・・・ん?」
おっかしいな~、ついに幻聴まで聞こえる様になってきた。
『幻聴じゃないですよ。それじゃジンさん、あなたを救ってあげましょう!』
え!?心の声読み取られた?
「誰でも良いから助けて下さい!まだまだこんな残念な人生で終わらせたくないんです!」
こうなりゃ、なんだっていい!誰でも良いから本当に助けて・・・。
『えいっ!』
あ、今のえいっ可愛いな。
掛け声とともに地面に魔法陣が浮かび上がる。
が、落下は止まらない。
ちょ、これ本当に残り数秒で死んぬんですけど。
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁあああ!!」
そして、俺は視界がブラックアウトした。
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