第1章

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神力使えないのに、神様なのか・・・。 「すまん、神様。俺にもわかるように説明してくれないか?なんで神力とやらが減ってるんだ?」 これはしっかりと聞いて置かないといけない気がする。 俺はゆっくりとその場に腰を下ろし座った。 神様は、こほんと一つ咳払いをした後、こうなった経緯を説明しはじめた。 「現在、この神界は非常に不安定な状態にあります。理由としては、天界と冥界が戦争を始めているということ。天界と冥界の狭間にある神界が影響を受けているのです。 そして、どちらの立場にもつくことの出来ない私は、神力の源である神器を人間界に放ちました。人間界に力を分け与えることで、争いを中和しようと考えたのです。しかし、その中の一つの神器が、ある一人の召喚士の力を暴走させてしまい、あなたをこちらに呼び寄せてしまいました。」 「つまりだ。神様に非はあると言えばあるが、ないと言えばない。更には何らかの力も授けることもままならないと、そういうことか?」 「そういうことになりますね。」 「だけど、人間にそんな大層な力分け与えて大丈夫なのか?力を持て余したあげく、間違った使い方をするのが人間だぜ?」 俺のいた世界の人々は得てしてそういう結末を迎えている。 巨大な力は己の身を滅ぼしかねない。
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