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「では、南の与力様。俺も、これで」
伊丹も、気にはなっているらしい。
「ン。そうだ、伊丹」
立ち去ろうとした伊丹を、主馬が呼び止める。
「は?」
当然、振り返った。
「楓を、泣かすなよ?」
どうやら、主馬の妹。
楓は、伊丹の元へ嫁いだ様子。
「判ってます」
胸を張って答えるからには、伊丹も泣かさない様に頑張っていると思われる。
小春日和の、麗らかな日差しを浴びつつ。
主馬は子供を差し置いて膝枕で寝ている松と鶴に溜め息を吐く。
こうして見ると、双子なのに同じ雰囲気はしない。
松は猫で、鶴は狐。
何となく、そんなイメージが沸く。
「まッたく……」
寝転がり子供を抱き抱え、腹と胸の上に頭を乗せる。
親子七人、何も無かった様に昼寝。
夕方に目覚める頃には、主馬の上に火車も丸まって寝ていた。
三
「如何かな? 傷の具合は」
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