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男が青年にむかって話しかけてきた。
「俺は、べつにどうだっていいよ。どうせ夢だからな」
男は、青年を見ながらあきれた。
「こんな霧の中歩くよりも、私は、さまざまな景色を楽しみながら険しい道や緩やかな道を歩きたいのですよ」
男の言葉を聞いた瞬間。青年は、自分の何かを否定されたような気がした。
「うるさいな。ついて来なければいいじゃないか。俺はこの道を歩き続ける。ほっといてくれ」
青年は、男に怒りをあらわにする。
男は、その言葉を聞いて悲しい顔をすると
「その言葉を聞いて、わたしは、もうついてきません」
そう言って姿を消した。
青年はベッドから起き上がると、さっきの事はすべて夢だったのだと悟った。
そして何事もなかったように、青年は今日もギャンブルに向う。
夕方。青年の財布は朝より軽くなっていた。
「くっそ。今日は、ついてなかっただけだ」
そう青年が呟いた。
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