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あっと、何かを思い出したように声を上げた。
「ひとつ言い忘れたことがある」
そして、少しだけこちらを振り返り、最後の言葉を放つ。
「時には冒険しないと、大きなものはつかめないって教えておいてあげる。僕こう見えても、あなたより長く生きてるから」
そして、綺麗な顔で微笑むと、窓枠に手をかけた。
「待てよっ!」
一拍おいて、こちらを振り向く少年。
「何? 君は行かないんだろう? これ以上話をしても時間の無駄。次の人を探しに行かなきゃ」
「行くっ! 俺が行くよ! そうだよな、こんなチャンスは二度とない。俺は自分の人生をやり直すんだ」
男の瞳に、熱がこもり始める。
「本当に来るの?」
急に態度を変えた男を、訝しげに見つめる少年。
「俺は一緒に行くことに決めた! どうすればいいんだ? もって行くものはあるか?」
手のひらを返したように、積極的になる男。
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