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「いや、全部向こうにあるから。君が今からするのは・・・そうだね、この窓から飛び降りる勇気はあるかい?」
「窓・・・? 正気かよ。ここは5階だぞ? 死ぬだろう?」
「ここから飛び降りても死なない。飛べる。そう、自分を信じられるかどうか。それが、世界への入り口」
男の決意は、急激にしぼんでいく。
「やっぱり、君には無理だったみたいだね。サヨナラ」
少年は、ひょいっと、窓から外に身を乗り出した。
ぐいっと、その腕が引かれる。
「危ないなぁ!」
少年が睨みつけても、男はひるまない。
「俺にも、本当にできるのか?」
まだ、半信半疑の男は、少年に問う。
「もちろんだとも。君なら絶対大丈夫」
「本当だな?」
「そんなに念を押して確認するってことは、自分を信じ切れてないってこと。やっぱり、止めた方がいいよ」
「いや、やる! 俺は行くぞ!」
そして、窓枠に手をかけ、一気に窓の外に躍り出た。
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