審判の時

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ドアを開けた先には、閻魔大王の間があった。どうやら丁度グルっと一回りして来たようだ。 「おお狸吉、戻ったか。さあ、こちらへ参れ。」閻魔大王の野太い声が耳に響く。 俺はボロボロの体を引き摺って、何とか閻魔大王の目の前まで辿り着いた。 「器を見せい。」 俺は懐から三種類の色が混ざり合い、ドブ色に変色したグラスを取り出した。 「おお!見事。試練を全て突破したか。」 俺は賛辞を受け、微かに笑ってみせた。 「貴様の道は決まった。奈落の底より深き地獄で死後を送るが良い。」 な…なんだって!? 「この試練は地獄へ行く資格があるかどうかを見定めるもの。貴様は見事に全て突破しおったわ。」 「ふざけるな!!俺を騙したのか!」 狼狽えている俺に、三つの足音が近付いてきた。 「ご冗談を。そのグラスはあなたの心の色を表します。」 「十分に濁っております。」 「あなたの様な醜き存在を天国へ行かせると思いましたか?ご自重なさい。」 そんな……コイツらは…。 「狸吉よ。未来永劫地獄で反省するが良い。さらばだ!」 その瞬間、俺の足元にポッカリ穴があき、俺は漆黒の闇の中へと落ちて行った。 「うわぁぁぁぁぁぁ!」 完
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