第1章

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ざぁぁ…… 9月16日、中学校は2学期を迎え慌ただしくなっていた。 雨が降っていた、とある少年はある場所へ向かい走っていった。雨が降っていたと言っても小雨適度で友達の家に傘無しで行くのは容易だった。 「ん?」 少年は不可思議なものを見た。遊ぶ予定の友達が家族と一緒に駐輪場に集まっていた。何かを囲っているように少年には見えた。少年の友人はこちらに気付いたのか駆け寄ってきた。 「おぉ!やっと来たか」 少年の友人は軽い口調で言った。そして少し相談があると言って手を惹かれた。 少年の友人は自分の家族の元へ少年を連れて行きその家族で囲っていたであろう運動靴の箱を見せてきた。 中には小さな小さな子猫がいたのだ。 中学生の少年の両手で覆えてしまう程小さな猫。 生まれてすぐに親猫に捨てられた そう少年は確信した。 少年の友人は団地に住んでいてペットが飼えない都合上この小さな子猫をどうする事も出来なかったらしい。 しかし少年は元々一匹の猫を飼っていた。 その猫の名前は『ウォッカ』といいやんちゃ盛りの子猫だった。 猫を飼っているため少年も悩んだ。 猫だって動物だ、相性がある。 少年は電話を取り出し通話画面にある一文字を写した。 『母』 勿論のこと母親は絶対反対、その時の少年は狂っていた。何を考えているのか30分近く永遠と交渉し続けたのだ。 この子はここで死んじゃいけない そう思ったのだろうか 結局、母親は少年に根負けし自宅へ連れて行く許可を出したのだった。 それがこの物語の始まりである。
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