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少年は家に帰るとすぐに雨に濡れた服を着替えた。
その間に母親が雨に濡れた小さな子猫の体をバスタオルで拭いていた。
気がどうかしていた少年は、やっとその子猫をじっくり観察できた。
まだ目もろくに開いていない。歩く事すらままならない。
餌をあげるも食べられる訳がなかった。
次はミルクを少量容器に入れてみるが飲めない。
当たり前だ普通に考えてわかる産み落とされたこの子はまだ普通は母猫のお乳から栄養を蓄えるのだから。
その姿に見兼ねた少年の父親は車と飛ばしホームセンターやそこいらでスポイトを買ってきた。
しかしそのスポイトを少年は手に取らなかった。
恐かったのだ、自分が世話できるのかが。
勿論世話をすると言う条件で連れてきたがその少年は口ばかりのダメな少年だった。
子猫は、同居している父方の祖母がたいそう可愛がった。
そして少年の家族は、少年に一つの仕事を与えた。
その子猫に一生関わる仕事……名前だ。
しかし少年は迷う事は無かった。
何故かはわからないけど頭にはある一つの名前がもう浮かんでいたからだ
『ジン』
子猫はそう呼ばれるようになった
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